明けましておめでとうございます。多くの読者に支えらながら今年もまたこのブログを通して皆様と交流できるのを楽しみにしております。
さて、2024年がどういう年になるか、たった一言で述べよ、と言われたらどうでしょうか?私は「脱却」を当てはめてみたいと思います。
昨年は混とんとした一年だったと思います。世界情勢は終わらぬウクライナ戦争、加えてイスラエル/ハマス問題が起きました。グローバルサウスという第三極の力も大きくなり、中国とロシア勢に対する西側諸国との亀裂も相変わらずでした。経済を見ればインフレとの対峙で急激な利上げに翻弄され、アメリカの銀行が倒産し、商業不動産は苦戦を強いられました。日本は行き過ぎた円安、中国は経済失速の危機に見舞われました。そういう意味ではバイアスがかかり過ぎたのが2023年だったと思います。
しかし世の中、いつまでも振れ幅いっぱいの中、暗黒をさまようわけではないのです。あれだけ苦労したコロナも3年で克服しました。つまり終わりなき苦しみもないということです。私が「脱却」という言葉を当てはめてみたかったのは2024年はそれら混とんとした情勢の霧が少しずつ晴れ始めて、解決策が見いだされる、そんなきっかけの一年を想像したからです。
2つの戦争は長く続くと見込む識者もいますが、私は年内に何らかの形で終結するか、停戦/休戦するきっかけができるとみています。これは楽観主義ということではなく、人間はいつまでも同じ考えを継続しないという前提に立っています。戦争とは当事国間の直接の武力衝突ですが、それを取り巻く国々の意見や継続するための前提条件は常に変わっているのです。そして今年の最大のトリガー(引き金)は選挙イヤーという点なのです。
選挙に立候補する者は必ず自分をよく見せようとします。自分に実力があり、こうすればよくなると公言し、当選したあかつきとしての約束をします。当選するまでの話ですから理想論をぶち上げます。それは社会が懸念する問題を「解決する」という私案の提示そのものなのです。
経済の状況はどうでしょうか?欧米を中心とする金利引き上げ競争は既に終わり、インフレ率も着実に鎮静化しています。目標とする2%程度のインフレ率に向け、第3コーナーから第4コーナーに差し掛かっている国が多く、春から初夏にかけて最後の直線コースになるでしょう。高金利からの解放は経済にとっては春の日差しです。個人的には欧米の住宅市場が大躍進するとみています。理由は簡単でこの1-2年、買いたくても買えなかった人たちが一斉に買い始めるためで、住宅価格は急騰するはずです。コロナ解禁で皆さんが一斉に旅行に行ったのと同じです。
日本経済は今年に限ったわけではないのですが、長期的に見て転換期にあります。それは「昭和の経営者さようなら」で平成生まれの指導者が主流となる点です。このギャップは大きいのです。考えてみればバブル崩壊が1990年。その時に生まれた子は34歳。80年生まれの44歳は物心がついた10歳の時には「宴の終わり」で下落しか知りません。昭和のしがらみが取れる点ではポジティブです。しかし、彼らは成功体験を知らず、いわゆる「ゆとり教育世代」(87年から04年生まれ)のど真ん中に差し掛かるのです。