しかし、保険は、確率統計的にリスクと保険料の等価性が計算可能なものにしか適用できないので、天災等に関するリスク、火災や運送途上の事故に関するリスクなど、産業一般に共通するリスクに範囲が限られる。各事業の特性に固有のリスクについては、付保できないので、経営の重要な課題として残るのである。
保険はリスク管理の手法なのであって、その対象となるリスクは付随的リスクだけである。リスクテイクの対象となる本源的リスクに保険をかけることは無意味であり、無理にかければモラルハザードという不合理を生じるわけである。
■
森本 紀行
HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
HC公式ウェブサイト:fromHC
twitter:nmorimoto_HC
facebook:森本 紀行
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?