今年も様々な話題で議論をさせて頂きましたが、やっぱり年の終わりには皆様の意見がぶつかるEVの話題をかませてみたいと思います。
東京のタクシーはトヨタのジャパンタクシーが圧倒的シェアですが、京都では韓国ヒョンデの「アイオニック」をベースにしたEV車両のタクシーも走ります。京都=国際観光都市=環境重視=電気自動車という流れからすればその選択は分かるのですが韓国車のEVを選ばざるを得なかったのは決定当時、日本に適当なEV車がなかったからでしょうか。
日本の自動車のEV化は思ったほど進んでいない、それが実態であります。2023年7月時点でEVは1.2%、PHEVが2.2%というレベルです。なぜなのか、ぼんやりとした答えが私なりに見えてきました。日本と海外は違う理由がありますが、ここは日本の特性を考えたいと思います。思いついたことをいくつか。
① どうしてもEVにするならやっぱり日本車のEVに乗りたい、という日本車EV待望論
② テスラはアップルにはならず。日本人好みの差別化と個性を充足させていない
③ トヨタなどが発表した全個体電池搭載のクルマが27年頃に出ると言われて買い控え
④ インフラを含め、まだ日本はEVウェルカムの社会ではない
日本車のEV開発が遅れた一つの理由は日本自動車工業会(自工会)と豊田章男氏の采配が大きかったことは否めないと思います。これはあくまでも私のような外部の者がみたイメージですが、豊田氏は5年間自工会の会長をやって豊田氏の内燃機関のクルマへの愛着が一種の宗教がかった立ち位置になってしまい、豊田氏自身もEV化へ舵を切れなくなったことがあると思います。
事実、トヨタの社長を佐藤氏に代えてからトヨタはEV化対策を次々アナウンスして、海外勢を猛追する姿勢を見せており、豊田氏も自工会のトップを24年1月にいすゞ自動車の会長、片山正則氏にバトンタッチします。自工会トップは歴代、トヨタ、日産、本田からしかトップを出しておらず、いすゞ出身者のトップは異例であります。片山氏は激変の自動車業界のかじ取りを求められることになりそうです。