現在はFWアーリング・ハーランドという圧倒的なストライカーを有するシティだが、ハーランド加入前の2020年から2022年には、MFフィル・フォーデン、FWリヤド・マフレズ(現アル・アハリ)、MFケビン・デ・ブライネ、FWラヒーム・スターリング(現アーセナル)、MFベルナルド・シウバなど中盤から前線に掛けての選手が全て得点できるスタイルでチームとしての底力を見せてきた。

同じ戦い方というとさすがに違うかもしれないが、チーム全員で点を取るサッカーは栃木シティの強さの秘訣だと言えるのではないだろうか。

Jリーグフラッグ 写真:Getty Images

来季J3で戦うために必要なものとは?

圧倒的なストライカーがいなくとも得点を重ね、JFLを制した栃木シティだが、来季の戦いの舞台がJ3となると状況は変わって来るだろう。今季の戦いを見てやや気になる点は失点の多さだ。

第29節終了時までの失点は35、1試合当たりの失点数は1.21失点と高い。他のクラブと失点数を比較すると2位高知ユナイテッドが22。9位ラインメール青森と7位Hondaがいずれも26。3位レイラック滋賀が27と、いずれも20点台である。

優勝した栃木シティの失点数は他のクラブと比べるとやや高い傾向にあり、守備の改善は今後の課題ではないだろうか。J3の現時点の得点ランキングトップは、FC今治のFWマルクス・ヴィニシウス(19ゴール)と圧倒的な得点力が見られる。

他にもJ1やJ2でプレー経験のある選手がJ3にも所属しており、その他の若手選手の中にも多彩な攻撃センスや得点力のある選手が在籍している。彼らの攻撃に対してしっかりと対応できる守備がチームとして構築できれば、J3でも十分に戦えるのではないだろうか。

また、来季に向けてのチーム作りにも注目したい。J3で戦うにはそれなりに実績や経験のある選手が必要になることは明らかだが、そのような選手を獲得できるだけの資金力が栃木シティにあるかという疑問もある。資金力のあるチームが必ずしも強く結果を残すとは言い切れないが、やはり少なからずとも来季の成績に影響を与えるだろう。