がんに立ち向かうには、どうすればいいでしょうか? 消化器内科・腫瘍内科医師の押川勝太郎さんに、がん治療における患者と家族のあり方を伺いました。
『押川先生、「抗がん剤は危ない」って本当ですか?』(押川勝太郎 著 光文社新書)
[本書の評価]★★★★★(90点)
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今回は、消化器内科・腫瘍内科医師の押川勝太郎さんに、がん治療における患者と家族のあり方について伺います。
押川さんによると、がん告知を受けた方々の多くは「否定→怒り→落胆→回復」の心理状態をたどるといいます。がんは死の告知ではありませんが、葛藤する人が多いということです。
事実、筆者の周りにも、怪しげな民間療法に手を出して不幸な結果になってしまう人もいました。がんを正しく知り、正しく恐れ、限界に制限をかけないことが必要なのだと理解しました。
「しかし、中には『落胆』したまま『回復』できない方もいらっしゃいます。『落胆』と『回復』は言い換えれば、『絶望』と『希望』です。同じ病に苦しむ方々の心理状態が、なぜこのように二極化してしまうのでしょうか。その原因は、もともとの性格にあります」(押川さん)
患者の味方はどこにいる?「生来、ポジティブな性格の方は立ち直りやすいですが、1人で悩みを抱えがちな方はふさぎ込み、生きる気力を失ってしまうのです。悩み抜いた結果、抑うつ状態に移行するケースも珍しくありません」(同)
押川さんは、患者さんに次のように伝えるそうです。