トランプ氏は現在、新政権の人事を進めています。私が見る限り思わずうーんと言いたいぐらい偏りある布陣内容です。これでは政権が機能しないのではないか、ぐらいに感じます。金融界の超大御所、JPモルガンのダイモンCEOが「私は上司がいない時代を長く過ごしたので今更、上司を持ちたくない」と述べ財務長官候補から離脱したのですが、これは言葉の裏にある意味を斟酌すべきでしょう。一部識者はトランプ政権は思惑通りに展開しないだろう、と明白に述べています。これは私の意見に近いところです。

一方、習近平氏はなぜ、日本に秋波を送るほど関係改善を考えたのか、といえばトランプ課税は日本も困るだろう、という点からスタートしています。つまりトランプ氏が極端な政策をとればとるほど中国を利する状態になりそうな気配があるのです。そして石破氏はそれを受け入れてもおかしくない状況にあります。

そうなれば日本は二面外交、八方美人外交をすることになり、アメリカに当然見透かされてしまうでしょう。私が石破政権は短命になると考えているのはアメリカから厳しいジャブが飛んでくると予想しているからです。アメリカははしたないことも平気でやるし、我々が知りえないような嫌がらせも当然します。石破氏はそれをも踏まえて日中関係再構築を進められるか、といえばいばらの道のような気もします。

ただ、日本国内も政治的に保守とリベラルの力関係はどっこいどっこいに見えます。強い保守派の時代ではないという意味ではなく、生活をどうにかしてよ、という意味でのリベラル化が進んでいるのだと思います。日本を守るという点は崩れていないと感じますが、物価高対策などもっと目先の問題に振り回されており、外国との関係は二の次というように見えます。

皆さんには日本の外交はどのように映り、どのように展開すべきとお考えになりますでしょうか?アメリカは今後も日本を守り続けてくれると信じるべきでしょうか?対中国の橋頭保としてアメリカとギブアンドテイクの関係を作るのでしょうか?私はある意味、岐路にあるように感じます。