人混みや騒音が苦手、環境が変わると落ち着かない、他人の気持ちに敏感に反応してしまう…
このように感受性が強く、刺激に敏感な気質を持つ人を「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略称で「HSP」と呼びます。
また巷では”繊細さん”とも呼ばれています。
HSPは「生きづらさ」に繋がるなどネガティブな印象を持たれがちですが、決して悪いことばかりではありません。
大阪大学国際教育交流センターの研究によりますと、HSPは「同僚に共感しやすく、周囲を思いやって仕事ができる」という会社にとってプラスの存在になることが示されたのです。
そこで今回は、この最新調査を含め、繊細さん(HSP)がどのような特性の持ち主なのかを詳しく見てみましょう。
研究の詳細は2024年7月31日付けで日本の心理学雑誌『応用心理学研究』に掲載されています。
目次
- 繊細さん(HSP)の特性とは?
- 繊細さんは会社にプラスの作用を与える
繊細さん(HSP)の特性とは?
HSPとは「感受性が強く、刺激に敏感な気質を持つ人」を意味する言葉で、アメリカの心理学者エレイン・アーロン氏が1996年に提唱した心理学上の概念です。
HSPは経験や環境などの後天的な要因によるものではなく、生まれつき備わった先天的な性質であるとされています。
では、HSPに見られる主な特性とは何なのか?
まず一つ目は「周囲の刺激にとても敏感である」ことです。
例えば、人混みや騒音、明るすぎる光、味や匂いなど、あらゆる環境刺激に過敏に反応してしまいます。
人混みに入ると不安になったり、サイレンの音に心臓がドキッとなったり、照明が急に明るくなると居心地が悪くなったりと、これらはHSPが示す典型的な反応です。
また物理的な環境刺激だけでなく、他人の表情や感情にも逐一反応してしまい、相手は特に何も気にしていないのに、HSPの人は「あれ、今一瞬顔が曇ったよな。もしかして嫌われてる?」とあらぬ勘繰りをしてしまいます。