ニューヨークで1年以上も予約が取れないレストランは、実は存在しない店だった。Z世代が仕掛けた壮大な「ドッキリ」が話題になっている。

マンハッタンのアッパー・イースト・サイドにある”創業100年以上の老舗”「メヘラーンズ・ステーキ・ハウス」(Mehran’s Steak House)は、近隣住民の間で「謎のレストラン」として話題となっていたという。

それもそのはず。同店はパンデミック期間中の2021年、スタートアップ企業の創業者メヘラーン・ジャラリさん(21)らが、ジョークでGoogleマップにリスティングした架空のレストランだった。

ニューヨークタイムズによると、メヘラーンさんは当時、テック企業で働く20代の仲間16人と、イースト83ストリートにあるブラウンストーンの建物を借りていた。レストランのリスティングが完了して1週間もすると、カップルが建物の中に入ってきたり、電話が鳴り始めたりしたため、偽のホームページを開設し、予約の受け付けをスタートした。

Googleに投稿された100件近いレビューは、全て友人たちが投稿した。「テーブルにつくのに1年も待った。人生で最高の食事ができるので、みんなも諦めずに待ってほしい」「ニューヨークいちのステーキハウス。サービスも最高」「シェフのメヘラーンは天才。和牛のステーキが素晴らしすぎて、6日間寝込んだ」「ビーガンだけど、ここの肉だけは食べる」「神の手によって調理されたに違いない。それほど素晴らしい」などの美辞麗句が並んでいる。