世の栄枯盛衰は今も昔も変わらずですが、大河の如くゆっくり流れていた過去と違い、時として急流下りのような時代の変化の速さを感じます。そのあたりを少し覗いてみましょう。
話題のジャニーズ性加害問題と経営問題、記者会見は1時間だけ見ました。質問と回答が堂々巡りしてきたのでそれ以上見ても何か出てくるとは思えませんでした。ロイターの記者がビジネスの先行きについて質問した際、東山さんの答えはピンボケで会社のビジョンすら語ることはありませんでした。多分ないのでしょう。東山さんが述べていたようなジャニーズ再生は私はビジネスという観点からは厳しいのだろうと察しています。
流行とはある一定の背景や基盤、基礎の上にどれだけ速やかに滑りの良いビジネスを軌道に乗せ、思いっきり走らせるかなのです。この「滑りの良い」がキーポイントで走れるだけ走るにしても必ずどこかで勢いは止まるのです。ジャニーズの場合、非常に長いスパンで滑走していたのですが、時代背景はそこにはもうないのです。ファンはより広い視野を持ち、個性的となり、皆と同じ選択肢はとらなくなります。
ユーチューブは一つの時代を作ったと思います。一種の情報収集としては便利なのですが番組として奥行きを持たせるのは容易ではありません。私が視聴しているのは一般的なメディアが制作している番組のコピーやニュース番組、How To系に絞られてきています。ユーチューブを制作するほうも言いっぱなしのような番組もありますが、きちんと編集するのに何時間もかけて取材費を投じてやっているものも無数にあり、レッドオーシャンそのものです。
その中、ユーチューブをビジネス化したUUUMは2017年に上場した頃がブームの頂点だったと思います。株価は一時6000円を超えるも現在はその1/10に萎んでいます。
そのUUUMを奇特な会社がTOBすると報じられ、買収側、被買収側双方が合意したので成立するのだろうと思います。ただ、驚くことにその買収額にプレミアムはほぼありません。TOBでプレミアムがないというのは極めて珍しいケースです。それだけ事業の先行きは大改造しない限り続かないということです。
ではジャニーズやユーチューブに代わる流行は何か、ですが、細分化される趣味の領域において仮想現実がビジネスの現実味を帯びてきています。UUUMとほぼ売り上げで肩を並べるのがVチューバー系企業でカバーとかAnycolorといった聞いたこともない上場会社。ちなみにAnycolorはプライム上場です。個人的にはビジネスの応用範囲を見ても主役交代になるだろうとみています。