このところツイッターのトレンドにずっと「共産主義」が上がっています。もとをたどると私のツイートのようですが、いろいろ誤解されているので、解説しておきましょう。

Q. 共産主義って何ですか?

共産主義はcommunismの訳語ですが、「共産」という日本語はないので、意味がわかりませんね。もとの意味はコミュニズムつまり共同体(コミューン)で生活するという思想ですが、明治時代に「共に生産する」という意味で共産主義と訳したようです。

Q. 社会主義とはどう違うんですか?

マルクスは一貫して「共産主義」という言葉を使い、「社会主義」という言葉をいい意味で使ったことはありません。エンゲルスは「空想的社会主義」というような共産主義の未発達な段階を示すものとして使いました。

ただロシア革命のような暴力革命が共産主義と呼ばれたので、ヨーロッパの左翼はそれと区別して、民主的な政権交代をめざす運動を社会主義、あるいは社会民主主義と呼ぶようになりました。今では共産主義は暴力革命をめざす党のことで、多くの国では禁止されています。共産党と名乗る政党が国会にいるのは、先進国では日本だけです。

Q. 共産主義は独裁なんですか?

マルクスの考えたプロレタリア独裁は暴力革命をめざすもので、19世紀には珍しくなかった。具体的にはフランスのパリ・コミューンがマルクスの考えていた共産主義でしたが、これも労働者の武装蜂起でした。

でも暴力革命も独裁も、共産主義の本質ではありません。その目的は資本家による生産手段の独占を廃止して生産手段を共有することです。議会を通じて民主的に政権交代できればそのほうがよく、暴力は不可欠ではありません。