また患者が意思表示できないケースで、家族に「彼(彼女)は、どんな治療を望むと思いますか?」と尋ねるのもよくありません。
なぜなら「望む」という言葉は、病院では定義が曖昧な場合が多く、家族は「本人が望むこと」を推測するのが難しいからです。
そのため、「望む」という言葉を使わずに、「もし、彼がこの話を聞いていたら、何を考えると思いますか?」と言ってあげるべきです。
また、セカンドオピニオンを求めにきた患者や家族に対して、たとえこれまでの対応が悪いように感じても、「他の医師は、一体何をやっていたのだ!」と言ってはいけません。
医師はいつでも「できること」に焦点を合わせるべきだからです。
他の専門家たちを非難するのではなく、患者を治療するために彼らとの協力が必要だと考えます。
そのため、他の医師を非難せず、前向きな言葉を使いましょう。
「セカンドオピニオンを求めに来てくれて嬉しいです。次に何をすべきか考えましょう」と言えたなら最高です。
さらに、患者に対して「なぜもっと早く来院しなかったのですか!」なんて言ってはいけません。
患者を責めたところで、症状が改善することはないからです。
むしろ、「現状で何が最善か」に焦点を当てて話し合うべきです。
ちなみにがん患者に対しては、「今はまだ心配しなくていいよ」という言葉もNGです。
なぜなら患者の懸念に対して何も答えておらず、彼らの不安な気持ちを軽視しているからです。
これ以外にも、医師が使うべきでない言葉はあります。
全体的に意識すべき点として、研究チームは「医師は患者を怖がらせたり、不快にさせたり、主体性を失わせたりする言葉や表現を認識し、これらを無意識に使用しないよう気をつけるべきです」と述べました。
医療が進歩しても患者や家族の不安な気持ちが変わらないからこそ、医師たちがいつもこの点を意識することは大切でしょう。