そこで今回、ベリー氏ら研究チームは、臨床医20名を対象に、重病の患者に決して使用しない言葉やフレーズがあるかどうか、アンケート調査しました。
また、そのNGワードの代わりにどんな言葉を使用すべきかも尋ねました。
その結果、研究チームは、医師が使用すべきでない言葉を特定しました。
例えば、患者や家族に対して、「私たちにできることは他に何もありません」と言ってはいけません。
代わりに医師はこう言うべきです。
「この治療は効果がありませんでしたが、症状を改善するチャンスはまだあります」
治癒の見込みがない場合でも、臨床医には患者をできる限り助ける能力があることを伝えてあげるべきなのです。
同じように、家族に対して「彼(彼女)は、もう回復しないでしょう」と言うべきではありません。
代わりに、「彼(彼女)が、このまま良くならないのではないかと心配しています」と伝えられます。
ネガティブなことについて断定的に話すのではなく、懸念を伝えるような表現に置き換えるべきなのです。
もちろん医師たちの多くは、これら無慈悲な言葉をなるべく使わないよう意識しているはずです。
しかし今回の研究では、思わず言ってしまいそうなNGワードも特定されています。
言われたことがある?「無意識に言ってしまいそうなNGワード」
医師たちが何気なく発する言葉も、それがNGワードである場合があります。
例えば、「病気と闘いましょう」というフレーズは良くありません。
なぜなら、「闘う」という言葉を使うことで、患者に「強い意志があれば病気を克服できる」とほのめかすことになるからです。
それにより、患者や家族は、「私(または彼)が、もっと頑張っていたら病気に勝てたのに」とがっかりしてしまう恐れがあります。
代わりに医師は、「この難しい病気に、一緒に立ち向かいましょう」と言ってあげられます。