「何が起こっても、自分の人生を100%謳歌する人。おひとりさまを思う存分楽しむ人。 受験に失敗しても、何事もなかったかのように次々と新しいことに挑戦し活躍する人。真逆の人々が存在することも事実です。自滅してしまう人と、人生を思う存分楽しんで成長していく人。その二者の違いは、どこから来るのでしょうか」(宮崎さん)

自分の方法を確立せよ

筆者は、メンタルが強くはなかったが、扱い方は上手かったのだと思う。本にも載っていないようなことを色々と試すのがいいだろう。筆者は「睡眠」が効果的だった。どんなストレスでも十分な睡眠をとることである程度は軽減できた。睡眠が十分になれば、社内でのトークや立ち居振る舞いにもパワーがみなぎる。

たとえば、上司になる人物は、何かしら過去の栄光……、いわば武勇伝がある。武勇伝は嫌われるという意見もあるがとんでもない。上司の武勇伝こそ有難く拝聴すべきものである。ただし、いきなり「武勇伝を聞かせてください!」とお願いするのでは、芸がない。お酒の席で聞くにしても、この聞き方では直球過ぎて上司も戸惑うだろう。

武勇伝を聞くのは、上司の自分に対する評価を上げるため、どうせ聞くならもっとも効果的な聞き方をしなければ得策とはいえない。私ならこう聞くだろう。

「部長。実はここ数ヶ月、ブラック商事(仮名)に営業を仕掛けていたんですが、商談が不成立になってしまいました。部長は営業のスペシャリストと役員がいっていたのを小耳にはさんだのですが、今後の参考のために武勇伝をお聞かせいただけませんか?」

「教えてください」と依頼するだけではなく、言葉にふくみを加えて、上司の自尊心をくすぐることが大切であることは言うまでもない。

本書は、アラン・コーエン氏(著作家、ライフコーチ)の考えがベースにある。クライアントの心に寄り添い、彼らが対峙している問題の解決や、人生の質の向上を助けるためのコーチングをこの機会に味わってみよう。おススメできる良著である。