2015年の8月の渡航は、トルコ領事館、トルコ航空、イスタンブールにあるバチェシェヒシュ大学が資金を支援したとも報じられている。

これに加えて、ニューヨーク・デイリーニューズは、5つめの旅行は2018年に計画されたもので、トルコの非営利組織Young Guru Academyと、同組織が開発した「スマート杖」が絡んだものだと報じている。

スマート杖は、障害物を検知する技術やLEDの安全ライト、アプリを使ってグーグルマップと連動する機能を備えたもので、当時の報道によると、アダムス氏率いる区長室は一本395ドルの杖を補助金を使って「数多く」購入し、視覚障害者を支援するHelen Keller Services for the BlindやMTAと協力して、公共交通機関で試験的に導入する計画を発表していた。

なお、同紙の取材にMTAは、「スマート杖」を試験したことはないとするなど、プロジェクトへの関与を否定している。

これまでに報じられているところによると、トルコ旅行以外の捜査の焦点は、トルコ出身の実業家が運営する建設会社「KSKコンストラクション」の従業員らから渡った献金や、アダムス氏が市長選で民主党の指名を獲得した後、国連近くにある35階建てビルの占有許可をめぐって、トルコ政府の求めに応じて消防局に働きかけた疑惑にも及んでいるとみられている。ニューヨークタイムズは、2021年5月に完成した同ビルは、防火システムに多数の問題を抱えていたが、アダムス氏の「異例の介入」により、同年9月に国連総会でニューヨークを訪れたトルコのエルドアン大統領が、オープニングセレモニーを開く道が開けたと伝えている。