当然、記事はアメリカの国境警備隊に捕捉された人々を取材したもので、この人たちが果たしてアメリカに難民申請できるかは微妙な気がします。なぜならトランプ氏は絶対に許さないし、バイデン氏も不法難民がどれだけ悩ましいものかようやく理解し、国境の壁づくりを進めているからです。ましてや中国人となれば「難民申請が通った」などと言う噂を聞きつけただけでとてつもない数の中国人が押し寄せるのは目に見えています。
さて、ブルームバーグは中国人が世界にその新天地を見つけていると報じているのですが、サブタイトルに「沖縄」という項があります。そこには「事業に500万円を投資した人に居住権を与える『経営・管理』ビザは、中国人に人気がある。昨年1-9月にこの方法で日本に入国した中国人は2768人で、22年の年間記録2576人を上回った」とあるのです。その中で、沖縄における中国人人口が増加し、裕福な中国人コミュニティも出来つつあるというのが沖縄ということなのでしょう。ですが、池袋の中国人村の膨張ぶりも凄いです。
さて、この経営管理ビザは法務省のサイトには「本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動。該当例としては、企業等の経営者・管理者」とあります。では500万円とは何かですが、自分で会社を立ち上げる際の資本金500万円の話ではないかと推測します。ただ、これは2015年の入管法改正で撤廃されているのですが、たぶん、ビザ申請の際に「元手」の確認をされるということかもしれません。
500万円でビザは安いな、と思うのです。しかもそれは資本金であってカナダやオーストラリアのように億円単位の資金を訳の分からない僻地の事業への投資ビザのような話とは違います。沖縄は中国から近いこともあり親和性もあるでしょう。日本の入管はこれを500万円を100倍ぐらいに引き上げないととんでもないことになると思います。
難民問題は今や地球規模の問題であり、国家が民を支えられなくなり、民が自由を選ぶ時代になってきたのかもしれません。かつて生まれた国は宿命であると考えれらていましたが、生まれた場所は変えられなくても育つ場所、生活する場所は変えられる時代になったと言えるのでしょう。中国はこれらとん走する中国人を放置プレーするのか、新たな規制を加えるのか気になるところです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年2月20日の記事より転載させていただきました。
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