ところで北米の名刺の並びは真逆で氏名、卒業時の学位取得レベル(MBAとか博士など)、職名(タイトル)、企業名であり、あくまでもその個人が主体です。日本では初対面の時、何が何でも名刺交換が第一優先ですが、当地は気に入った相手にしか名刺を渡しません。ミーティングの後、連絡先は?ときけば携帯でいいか、ぐらいのものです。
そういう私も頂く名刺はしばらく机の上に放置して、大事そうな名刺だけ名刺ホールダーに入れます。名刺ホールダーに収まっている名刺も年に一度ぐらい全部チェックし、やり取りがない方の名刺は破棄しています。用があればまた新しい名刺をもらえばよいだけの話です。
私が日本で事業をする際、やりにくいと思うのは新参者を嫌う傾向が強いことです。特にBtoBを目指す場合、要注意です。私はほとんどがBtoCかカナダ向け輸出業者としての買い付け事業ですので展開しやすいですが、顧客の要望は本当にレベルが高く、その傾向はますます強化されています。
その中でシニアができる起業はどうしてもコンサルのような経験値を生かしたものになると思います。海外経験などは生かせると思いますが、20年前に一度赴任したことがあるぐらいで「私は経験者」と言うのには無理があります。
プロ並みのレベルになるにはサラリーマン時代によほど実務に長けていた方ではないと難しいと思います。特に日本の仕事のやり方は大きな企業だと年長になれば部下の管理と上からの方針の具現化が主体で実務は全くやらない方がほとんどだと思います。その方が突然コンサル=実務の塊のようなことができるのか、それは起業を目指す方はよーく考えたほうが良いと思います。
また形から入る方も多くいらっしゃいます。何もビジネスを始めていないのに事務所は港区の住所でこんなオフィスで、から始まる方は割と多いものです。そしてたいていそんな方は1-2年で事業をたたむことになります。
オフィスなんて自宅でよいのです。起業は住所とパソコンがあればできます。形は売り上げが立ち、利益が出てから考えればよいのです。今はシェアオフィスも多く、ワンルームマンションを借りる必要はないのですが、どうもプライドが許さないのか、自分のデンとした社長のテーブルと椅子が欲しいのか、定年後のおじさまはシェアオフィスはお嫌いのようです。