具体的には、いわゆる実務書といわれるようなハードカバーで1冊3,000円も4,000円もするような書籍での勉強は最初の段階で行わず、もう少しライトな感じのビジネス書で勉強するのがよいでしょう。実務書は文章も難しく、決して読みやすいとはいえません。ですから、実務書のような「専門家が専門家のために書いた本」ではなく、「素人でも理解できるように書いた本」であるビジネス書の手続きや法律の本から始めるのがもっとも導入としては簡単です。

こうしてまずは浅めの知識を身につけます。そうすると、「まったく何もわからない」という状態から脱却できるようになりますので、ここまで来たら第二段階に移行します。

第二段階では、いつでも「調べられる状況」をつくり出します。情報が掲載されているウェブサイトへのブックマーク、関係役所の連絡先をあらかじめ用意し、お客様に「もっと詳しいことを知りたいのですが」といわれた際に、すぐに調べられるようにしておくことが重要です。

特に近年はスマホやタブレットの普及によって、いつでもどこでもネット検索ができるようになっています。もちろん記憶することも重要ですが、「いつでもすぐに答えを調べられる」状態をつくっておくことがポイントです。

ただし、気をつけたい点としては、ネット検索には依存しすぎないことです。ネット上の情報は都道府県や市区町村が提供している情報を除けばその真偽をたしかめることが容易ではありません。そのため、手軽に検索できる一方で誤った情報を本物と勘違いしてしまうこともあります。

そこで、アナログな手法ですが、役所の担当者に直接電話して、確認を取る、という方法をとってください。こうすることによって、いち早く情報を押さえられますし、この情報は役所のお墨付きになります。加えてポイントをいえば、担当者の名前も押さえておき、「言った、言わない」の水掛け論にならないように準備しておくことです。