研究者たちは、宇宙に知的生命体が存在する可能性を計算するための新たなモデルを開発した。この「生命計算式」は、これまでで最も包括的なモデルだとされている。しかし、その結果は、多くの人にとって期待外れなものかもしれない―――。
エディンバラ大学とスイスのジュネーブ大学の研究者たちは、私たちの銀河系以外の宇宙に生命が存在する確率は27%、私たちの銀河系内に知的生命体が存在する確率は23%であると報告している。アメリカ人の成人の65%が他の惑星に地球外生命体が存在すると考えていることを考えると低い数字だ。
ドレイク方程式に基づく理論モデル
研究チームは、1960年に開発されたドレイク方程式に基づいて理論モデルを作成した。このモデルは宇宙の膨張を計算し、過去にも銀河系に高度な文明が存在するかどうかを研究するための枠組みとして使用されてきた。
研究チームは、この計算式を使って知的生命体の数を決定したのではなく、知的生命体が存在する可能性を推定したと述べている。宇宙の3分の2以上を占めるダークエネルギーは、宇宙の膨張を促進し、銀河や銀河団の形成に影響を与えている。これらの銀河団が合体して星や惑星が形成され、数十億年の間安定していれば、地球外生命体が存在する可能性がある。星形成と大規模な惑星の進化が静かに組み合わさり、「次世代の知的生命体」を形成する可能性があるというのだ。
研究結果は、他の高度な技術文明が存在する可能性は「驚くほど低い」と主張した過去の研究とは対照的である。
2016年、ニューヨークのロチェスター大学の研究者たちは、ドレイク方程式を用いて、地球上の人類がこれまでに存在した唯一の技術的種であるかどうかを調べた。その結果、居住可能な惑星で文明が発達する確率は、10の22乗(1000京)分の1以下、つまり気が遠くなるほど小さい確率であることが報告された。しかし、ロチェスター大学の物理学・天文学教授で2016年の研究の共著者であるアダム・フランク氏は、「1兆分の1の確率は、地球上で人類に起こったことが、宇宙の歴史の中で実際に約100億回も起こったことを意味する」と述べている。