■伝説の影で~数字から“消えた”500人~
最後に、このたび紹介した失踪事件の源流をさぐってみよう。結論から述べれば、伝説の発端となった出来事は中国の国産ロケット、長征3号の打ち上げ事故に違いない。
1996年、衛星打ち上げを目的とした長征3号は発射直後より安定を失って墜落。運悪く落下地点に位置していた市街地には満載されていた推進剤が火の雨となって降り注ぎ、一夜にして廃墟となった。
村に近い発射基地の存在、また事件の後に軍が動員されたという内容に類似がみられる。違いは人々の行方であり、最大500人と推定される住人たちは、雲や霞のように消え去ることはなく、その場で命を落としている。
ところが、宇宙開発に携わる中国の国有企業・中国航天科技集団は2016年、これまでに伝わっている被害者数は根も葉もないデマであるとの声明を発表した。同企業によれば事故による死者はわずかに6人であり、負傷者も57人を数えるのみであるとのことだ。
数字の食い違いによって、その存在自体がないものとされた犠牲者たち――。見方を変えれば、こうした非情な手段に訴える中国政府の姿勢そのものが、都市伝説の発生を招き、信憑性を補強する遠因になっているのだろう。
参考:「Mysterious Universe」、ほか
※当記事は2019年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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