中国の山村が一夜にしてもぬけの殻に? ソーシャルメディア上で話題となった怪現象の真相に迫る――。
【こちらの記事も人気です】
■1000人が消えた村、ペットや家畜までも……
そこにいるべき人々が跡形もなく姿を消すという出来事が、2010年に海外のソーシャルメディアで注目を集めた。消え失せたのはおよそ1000人の村の住人たちであるという。
ソーシャルメディア上で散見される報告によれば、中国の内陸部、陝西省(せんせいしょう)の一角に位置する村が、出来事の舞台であった。広大な面積を誇る同省には、雄大な川渭水が流れ、秦嶺山脈がそびえ、黄土高原の北に砂漠が続き、古代の山水画を思わせる景観が広がっている。
そうした風土のなかで、問題の村を唯一際立たせていたのは、近くに建つロケットの発射基地であった。
1987年、村は一晩のうちにもぬけの殻になっていた。老若男女を問わず、そして町の家畜やペットの1頭さえも、めぼしい痕跡を残すことなく消え去ってしまったのだ。彼らが村から引っ越した兆候はなく、当日の食事が用意され、日用品が雑然と置かれていたという。