自民党総裁選に出馬する河野太郎さんが、29日のテレビ番組で解雇規制の緩和にふれました。出馬したときの記者会見では「躍動感のある労働市場」というよくわからない表現でしたが、この番組では金銭解雇の法制化に言及したことが注目されます。

実は「解雇規制」は大した問題ではありません。日本の労働法では契約自由の原則で、経営者が解雇するといえば雇用契約は終了します。労働基準法には「30日前までに予告する」という規制しかありません。

しかし裁判所が判例で、事業をやめるときの整理解雇しか認めないため、事実上、解雇できないのです。

この判例を労働基準法の改正で上書きし、たとえば「1年分の給与を退職金に上積みすれば解雇できる」と解雇自由の原則を明文化するのが金銭解雇の法制化。労務の専門家や労働組合には歓迎する声もあります。