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性能に期待しすぎると肩透かしを食らう?
補修部品は「ない」or「高い」?維持には愛が試される
性能に期待しすぎると肩透かしを食らう?
また、90年代のスポーツカーはそれが登場するアニメやマンガ、映画等もあり、こうした作品に観てそれらの車に憧れを持ったという人も少なくありません。ハイスピードでのカーチェイスや派手なドリフト走行など、車が魅せるアクションを観て一度は真似してみたいと思う人もいるでしょう。
これらの車はモータースポーツシーンでも多大な活躍を見せており、新車登場時にはレーシングドライバーや評論家によるサーキットでの試乗インプレッションも人気があるほど、各メーカーが走行性能でしのぎを削っていました。
そのため、90年代スポーツカーの「走りの性能」に期待している人は多く見られます。実際に、高い出力を誇るエンジンと、現在の水準で見れば軽量な車体にそれを搭載しているため、速い車であることは間違いありません。
しかし、当時と現在では技術、特にタイヤの進化が著しく、またエンジンをはじめとしてさまざまな箇所で高効率化が進められているため、現在の車と比較するとカタログのスペックでは圧倒的に差があるにもかかわらず、体感できる速さにそこまでの差はないという場合もあります。
アニメやマンガ、映画等で憧れを持ち「速さ」に期待して購入すると、肩透かしを食らってしまうことも。それらの作品はあくまでもフィクションであり、速さは演出のひとつであることを十分に理解し、過度な期待をしないことが、その車を持てる喜びを噛みしめるためには必要です。
補修部品は「ない」or「高い」?維持には愛が試される
走行性能に過度な期待をすると期待外れになる場合もあるという話に付け加えると、全開走行などは車への負荷が大きくなり、部品の消耗・劣化も早くなります。修復が難しいダメージが蓄積してしまったり、交換しようにも部品の製造が打ち切りになっているということもあるため、愛車と長く付き合いたいのであれば、車に無理をさせるような走り方はしないほうが懸命です。
また、そういった走行をしないにしても、ゴムやプラスチックなどでできた部品は経年劣化によりいずれは交換が必要になります。交換しなくても走行に支障がないという部品もありますが、走れはしても車検で不適合となる場合がある部品もあり、思わぬパーツが原因で公道での使用ができなくなったという例は、古い車では少なくありません。
各メーカーは、ある程度の年数はその車を補修するための部品を供給していますが、保管できるスペースには限りがありますので、古いモデルの部品は、需要が少ない部品から順に供給が打ち切られていきます。少なくとも25年以上前となる90年代の車の場合はその部品の供給がすでに終了となっていることは珍しくなく、その場合は中古部品や同一部品を使うモデルから流用するなどの対応が必要です。
在庫があったり、一部のモデルでは復刻部品として新たに販売されたりする場合もありますが、いずれも割高。そして次から次へと部品の交換をはじめとした修理が発生していくため、90年代のスポーツカーに限らず、古い車を維持することはお金も時間もかかります。このように、憧れる人が多い90年代スポーツカーは、実際に所有するのにさまざまな苦労が伴うことになります。