かりに石破、小泉両氏が1、2、位をしめると、両氏は改革派に入るのでしょう。小泉氏は「聖域なき規制改革を進める。選択的夫婦別姓に賛成で、国会で法案を通す」といい、石破氏は「政治不信を払しょくする。アジアで集団安全保障の仕組みを作る。巨大災害に備えた防災省を創設する。女系天皇の選択もありうる」などと述べ、改革派といっていい。
対する保守派の筆頭は高市氏で「選択的夫婦別称には慎重。安定的な皇位継承のための皇室典範の改正(男系男子による天皇制維持、女系天皇を否定)」が信条です。旧安倍派の支持者が多い小林氏は「財政より経済を優先(アベノミクス継続)、男系男子の皇統を守る」とし、49歳という若さのわりには、高市氏に近いようです。男系男子に限っていたら、皇室は先細りするでしょう。
そこで問題は、上位2人に小泉、石破氏が並んだ場合、政策志向が反対である高市、小林氏ら保守派はどのような判断でどちらに投票するのでしょうか。「規制改革の断行、原発容認」の河野氏は小泉、石破氏を支持してもおかしくない。
上位2人が改革派と保守派に割れた場合は、どちらにつくか議員らは判断しやすい。そうならなかった場合、上位に食い込めなかった立候補者、その支援者はどうするのでしょうか。自民党総裁は事実上、首相に就任するのですから、上位2人は公開討論を嫌わないでほしい。事前にそうした事態を想定していなかったにしても、記者会見に臨むくらいのことはできるでしょう。
政界の世代交代は進むでしょうから、麻生太郎、森喜朗氏らは黙っていてほしい。次世代に責任を持てる世代が政治の中核を担えば、膨大な国債残高を次世代に残すことを反省する政治が行われるでしょう。小泉氏を推している菅氏もキングメーカーぶらないことです。
9人の顔ぶれをみると、森、麻生、安倍、菅氏らと違った時代が始まるのでしょう。高市氏のように時代の変化に鈍感な議員は別として、政治家としてのレベルはこれまでと違ってきています。誰が総裁になるかより、日本の政治がどう変わっていくかを注目したいと思います。