サウジアラビアが描く「芸術国家」構想
サウジアラビアでは、ムハンマド皇太子が進める「ビジョン2030」に基づき、経済の多様化や文化の自由化を進める動きが活発化している。石油依存から脱却し、新たな収益源を創出するため、サウジアラビアは国内外のアートに大規模な投資を行っており、「サルバトール・ムンディ」の展示もこのビジョンの一環として期待されている。
この計画には、サウジ国内に世界的な芸術施設を建設するプロジェクトが含まれ、ジッダやリヤド、そしてアルウラなどの都市に複数の美術館や博物館が次々と建設される予定だ。また、アルウラの砂漠地帯では現代アートの展示が行われ、世界的なアートフェスティバル「Desert X」などとのコラボレーションも行われるなど、文化的発展に意欲を示している。