2017年11月、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「サルバトール・ムンディ」が、ニューヨークのクリスティーズ・オークションで史上最高額となる4億5000万ドル(約500億円)で落札された。この落札者はサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子であると言われており、以来この絵画はサウジアラビアの国家プロジェクトの中に秘蔵されているとされている。美術界でその行方が注目されるなか、「サルバトール・ムンディ」は一体どこにあるのか、そしてサウジアラビアの計画とはどのようなものなのか?
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サルバトール・ムンディとは
「サルバトール・ムンディ」(Salvator Mundi)は、青いローブをまとったイエス・キリストが正面を見つめ、右手で祝福のジェスチャーを行いながら左手に透明な水晶の球体を持つ姿を描いた絵画である。この球体は宇宙全体を象徴しているとされ、キリストの神聖さと力を表現している。
作品は15世紀末から16世紀初頭にかけてレオナルド・ダ・ヴィンチが描いたとされ、「世界の救世主」という意味を持つタイトルにふさわしく、神聖で静謐な雰囲気が漂う。
しかし、真贋については議論が絶えず、一部の専門家はダ・ヴィンチの弟子や後世の画家による加筆が含まれている可能性を指摘している。
それでも「サルバトール・ムンディ」は「男性版モナリザ」や「ラスト・ダ・ヴィンチ」とも称され、現存するダ・ヴィンチ作品として広く注目されている。