リアライズドVolは水曜のマークが消えるまで高めに推移する。実際、S&P 500は連日陽線で引けているが、引け前は必ずしも強くない。ただ他の戦略の買い戻しがあまりにも激しいので、Volコントロール単体を心配するほどではないだろう。
指数が上がり続けたのが全てであるが、決算への反応も全体的によくなっている。
EPSコンセンサスはロールアップ込みで横ばいから少しずつ上向きになっている。
バリュエーションはPERで見ると相当高い。リスクフリー金利が高く、EPSが伸びているのか伸びていないのか分からない環境を考えると更に高い。
選挙を通過してNAAIMはさすがに少し楽観化した。とはいえ警戒するほど水準は高くないが、一方GSセンチメントは一気に著しく楽観化している。シーズナリティは年末にかけてかつてないほど改善する。自社株買いブラックアウトも概ね明けた。
テクニカル。棒上げなので手掛かりは少ない。5670はブレイクされず明確に週足サポートとなったが今更である。大統領選のギャップ上限は5860にあり、何かの拍子でこの水準を割り込んで窓埋めに入ると「大統領選後の上げを全戻し=5670を再び伺うかどうか」という切り口になってしまう。
閣僚指名や保護貿易関連のヘッドラインでリスクオフになる場面も考えられるが、先週の貿易相手国の株式指数が米国対比で概ね不調であった傾向が示唆するように、S&P 500にとっては最終的には対岸の火事となる可能性が高く、年末までの間は就任前ということもあり押し目で終わる可能性の方が高いと思われる。
上値余地の方は、JHEQXカラーのコール売りが6055にあることが分かっており、エクスパイアが年末と遠いのでガンマの影響は大きくない可能性もあるが、6055を超えた水準では重くなる可能性が考えられる。
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編集部より:この記事は、個人投資家Shen氏のブログ「炭鉱のカナリア、炭鉱の龍」2024年11月10日の記事を転載させていただきました。