中国南部の深センで先月18日、日本人学校に通う10歳の男子児童が刃物で襲われ死亡した事件が起き、中国在住の日本人家庭に大きな衝撃を投じているが、欧州のアルプスの小国スイスでも1日正午ごろ、スイス最大の都市チューリッヒ市北部エリコン地区の住宅街があるベルニナ通りで中国人男性による児童刺傷事件が起きた。
まず、スイス公共放送の2日発のニュースレターから事件の概要を紹介する。
「チューリヒ市北部で1日午後、路上を歩いていた幼稚園児の集団に男がナイフのようなもので切りつけ、子供3人が負傷した。チューリヒ市警察は中国人の男(23)を逮捕した。チューリヒ市警察によると、けがをしたのはいずれも5歳児。1人は重傷で、残り2人は中程度のけがを負い、病院に搬送された。園児は学童施設のスタッフに連れられて、現場近くの幼稚園から学童施設に徒歩で移動途中だった。学童施設のスタッフが別の男性の助けを借りて男を取り押さえた。逮捕された男が園児や学童施設と関係があるかは不明。警察が詳しい動機を調べている」
「サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙」は同日、「スイスで刺傷事件が起きるのは極めてまれで、子供が巻き込まれる場合はさらに珍しい。襲撃は外国人の居住許可を扱う入国管理局に近い、並木のある静かな住宅街で起きた」と報じている。
上記のチューリッヒの刺傷事件は先月の日本人児童殺傷事件と似ている。容疑者が中国人男性、狙われたのは幼稚園児、容疑者はナイフで児童を襲ったという点だ。異なるのはチューリッヒの場合、容疑者は23歳、中国の殺傷事件の場合、容疑者は44歳だったことだ。
問題は犯行動機だが、深センの場合、中国側の発表では「事件は偶発的で、容疑者が単独で行なった」というが、詳細な内容は不明だ。チューリッヒの場合、目下調査中だ。NHKによると、深センの場合、亡くなった児童の両親は父親が日本人、母親は日本に帰化した中国人女性だ。