■空軍から入隊拒否されていた
バレンティッチが飛行していた一帯はオーストラリアの「バミューダトライアングル」として知られる「バス海峡トライアングル」であった。ビクトリア州とタスマニア州の間の海域で、この海域では船や飛行機が消えることで悪名高い。バレンティッチのセスナ機もこの海域の餌食になったのだろうか。
またバレンティッチがなぜキングアイランドへ向かっていたのか、その目的も判然とはしていない。
バレンティッチは約150時間の十分な飛行時間を積み重ねていたが、オーストラリア空軍航空訓練隊の一員であったにも関わらず、資格を満たしていないという理由で2度もオーストラリア空軍から入隊を拒否されていた。
彼は民間パイロットになるための勉強もしていたのだが、民間免許試験に何度も落ちている。
その理由として考えられるのは、過去の無謀な飛行だ。彼は何度か飛行制限区域に侵入するなどして警告を受けていたのだ。
無所属のパイロットであった彼にこの時いったい何が起きていたのか。