ユーザーにとって代わりがない車種
「もうひとつは、受注制限をかけている車種を見ればわかるのですが、『他ブランドに競合できるモデルがない』ということです。アルファードしかり、アクアしかり、トヨタのブランド力と相まって、ユーザーにとっては代わりがない車種が多くあります。応接間のような豪華さと高い静粛性にハイブリッドシステムを合わせるなど、高級ミニバンの市場で一人勝ちをおさめているアルファードは典型的な例です。また、ランドクルーザー300も、現段階で次世代モデルが出るまでに買えるクロカンSUVの他車種と比べると、燃費性能や信頼性で優れているうえ、ランクルのブランド力は世界的にも高いものがあります。ランドローバーやメルセデス・ベンツなどハイブランドのSUVも存在しますが、バリュー感の高さと故障が少ないという信頼性などを加味すると、ランドクルーザー一択になるのは理解ができます。こういった現象は、トヨタ以外のブランドでも起こっていて、例えば日産自動車のフェアレディZは発売当初から受注制限をかけて話題になりましたし、スズキのジムニーも他に選びたくても選ぶモデルがありませんから、ずっと納車待ちが半年~1年以上という状況です。
さらに、長く続きそうな『円安の影響』もなにかしらの影響があるのではないかとも見られます。なかでも、販売台数の割り振りが海外向けに増えているということと関係があるのではないでしょうか。例えばランドクルーザーの場合、生産台数総数の半分以上が中東諸国へ輸出されており、日本への割り当ては実は10%程度と少なく、これが結果的には納期の遅延、そして受注制限につながっているのは明らかです。ほかにも海外輸出が生産総数の大半を占めている車種は、トヨタに限らず受注制限をかけていると思われますが、トヨタのブランド力が日本の他ブランドに比べると圧倒的に強いため、どうしてもトヨタだけが受注制限をかけているように見えてしまっているのが実情なのではないでしょうか」
(文=Business Journal編集部、協力=桑野将二郎/自動車ライター)
提供元・Business Journal
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