スキージャンプは最初、腕を回しながら飛んでいた
冬季オリンピックの花形競技、スキージャンプ。現在その跳躍時の姿勢はスキー板をVの字に開き、体を前に傾けて、腕を少しだけ開くような形をとっています。しかしこのフォームにたどりつくまで、過去のジャンパーたちは相当な試行錯誤を繰り返してきたようです。
1924年に開催された第1回シャモニー・モンブラン冬季オリンピックの男子ジャンプ金メダリストは腰だけを曲げて前に傾け、両腕を空中でぐるぐる回しながら跳んでいました。当時のスキージャンプ界では両腕を1回振り回すごとに飛距離が1mほど伸びると信じられていたため、多くの選手がこのスタイルを取っていたそうです。
他にも1960年のスコーバレー冬季オリンピックでは、旧東ドイツの選手がまるで水泳の飛び込みのように頭の横に腕を固定する形でジャンプをし金メダルを獲得しています。
しかし、研究していた結果、現在のようなスタイルでのジャンプがもっとも距離を稼げるということがわかり、ほとんどの選手が採用するようになりました。これが1990年代頃のことと、ずいぶんと最近の話です。
LINEは東日本大震災がきっかけで誕生した
現在では家族や友人とのコミュニケーションツールとして欠かせないLINE。その誕生のきっかけは、2011年に起こった東日本大震災でした。
震災直後、被災地のインフラはほぼ壊滅状態で、電話はもちろん、メールもつながらないと通信手段も大打撃を受けました。そのため、多くの人が家族や恋人、友人と連絡が取れず、生きているかどうか心配な日々を過ごしていました。それを知った韓国の企業、NHNの創業者が緊急時のホットラインとして使える、電話回線に影響されないメッセージアプリを作ろうと考え、震災からわずか3ヵ月後の2011年6月にLINEを誕生させました。
当時は急ピッチで開発し、早くリリースすることを優先させたため、通話やスタンプなどの機能はまだなく、文字を送るだけのシンプルなものでしたが、相手がメッセージを読んでいるか確認できる「既読」の機能はすでに搭載していたそうです。この「既読」が通知されることで、相手がメッセージを読んでいる、すなわち相手が生存しているということを確認できるということから、この機能は最優先で搭載させたそうです。
現在は友達同士がつながるツールとして使われているLINEですが、もともとは人助けの目的として作られたものだったわけです。