問題はこのような不登校を経験したままですと自分が社会に溶け込めるキャパシティが小さくなりやすく、大人になってもうまく立ち回れないリスクが心配です。先日、新卒者が就職後、3年以内に3割ぐらい退職する話をしましたが、個人的には会社組織にうまく乗れない人たちが弾き飛ばされるとも言えそうです。就職した場合、そこでみる社会は幅広い年齢層の組織、一定のヒエラルキー、コーポレートガバナンスという枠組みや制約、マナー、大人の常識などありとあらゆるレベルの要求度を満たすことが求められます。

考えが飛躍しすぎと指摘されるかもしれませんが、オレオレ詐欺やら昨今の強盗事件と何らかの関連性はあるのではと疑っています。なぜ20代の若者が金欲しさに闇バイトをするのか、その構図はわかりにくいものです。警察はそのあたりの取り調べを当然していると思うので闇バイトに走る若者の動機や家庭環境、心理状態を分析したものを大々的に公表して社会問題として認識を広めるべきだと思うのです。

では不登校になった学童やその予備軍を抱える親と社会はどう対応したらよいのでしょうか?個人的には即効薬はないと思います。

背景には幼少期から十分なコミュニケーションと「人と人の距離感」を身に着けなかったことが主因ではないかと考えます。幼児時代に「なかよくしましょうね」と教え、園児同士がケンカしたり泣かされたりしないよう必死に守る経営側の姿勢とモンスターペアレンツによる介入を見直すべきなのだと思います。子供が泣いて帰ったら親は幼稚園に文句を言い、泣かせた子の親は謝りに行くという社会が私には理解できないのです。

幼児や子供にもそれぞれのレベルでの社会経験させているのであり、やってよいこと、ダメなことを経験値から学ぶべきなのに指導側がその経験をさせず、事なかれ主義に走るのです。もちろん、指導側も親から文句を言われるのはたまらないし、時としてモンスターキッズも存在するのです。「親の顔が見たい」と言いたくなるような悪ガキです。ここは難しいところです。