デキない上司に限らず、仕事をしていれば、必ず、ミスやトラブルは発生するものです。トラブルが発生した際、責任をかぶせてくるのは上司です。上司から責任をどのようにかぶるかが評価の分かれ目になります。

筆者なら、その上司を自分の味方にしてしまおうと考えます。たとえば、上司になる人物は何かしら過去の栄光、いわば武勇伝があります。その武勇伝をわざと聞くことで上司の評価を上げるテクニックもあります。ただし、いきなり、「武勇伝を聞かせてください!」とお願いするのでは芸がありません。私ならこう聞きます。

「部長! 実はここ数カ月、ブラック物産に営業を仕掛けていたんですが、もうちょっとのところで商談が不成立になってしまいました。部長は営業のスペシャリストと専務が言っていたのを小耳にはさんだのですが、今後の参考のために若い頃の営業列伝をお聞かせいただけませんか?」

ポイントは上司よりも上位の役職者が上司を褒めていたことをさりげなく伝え、さらに、自分自身の「今後のため」に上司の武勇伝を参考にしたいと伝えている点です。

会社組織の中で上司に反目しても、まったくいいことはありません。逆境をチャンスに変え、どんどん成果を上げていきましょう。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)