■石化が解けたゾーイは別人に
母クラウディアも周囲の人々も、石化したゾーイにお手上げであった。
やがて事態は人々の知るところとなり、石化した若い女性をひと目見ようとして家の周囲に人々が群がりはじめ、家の前には常に警察官が立っていなければならない状況となった。
その後、何人もの司祭が家に招待され、ゾーイのために祈りを捧げたが、ゾーイの状態はまったく変わることはなかった。
モスクワの医師や医学教授もやってきてゾーイを診たが、何らかの破傷風にかかっている可能性が疑われたのみで、実際には何もわからなかった。
石化したゾーイはそれ以降、立ったまま飲まず食わずであったが心臓のわずかな鼓動は確認できて、医師たちはまた生きていることを確信した。
ゾーイが石化してから128日が経った日、ついに転機が訪れた。
家を訪れた地元の聖職者が祈りを捧げたところ、聖像を手放させることに成功したのだ。
その後に石化が解けたゾーイは毎日のように泣きわめき、赦しを求めて叫んだという。最終的に精神病院に入院し、亡くなるまでの長い日々を激しい懺悔と祈りの中で過ごした。
そして、この一件をソ連当局は隠蔽しようとしたといわれている。警察官や関係者に機密保持契約への署名を強要し、プロパガンダキャンペーンを実行し、ゾーイの一件をすべて「欺瞞と空虚な噂」と呼んで、フィクションや純粋な都市伝説のように見せかける工作を行ったのだ。
しかしソ連崩壊後、この話はいくつかの新聞記事で紹介され、その後にはドキュメンタリー映画やテレビドラマの題材にもされている。だが、不幸なことにゾーイが石化した家は2014年に火事でその秘密と共に焼失してしまった。
この事件の真相は今もって謎であり、石化したゾーイが立ったまま飲まず食わずで4カ月もの間生きていたこともまったく説明できない。やはり聖ニコラウスの呪いだったのか。
あるいは母と娘による“芝居”であったのか。しかし、その芝居の目的もわからなければ、石化が解けたゾーイが別人のようになって懺悔に身を捧げる一生を送ったことも説明は難しい。
さらにソ連政府が事件の隠蔽を図った理由は何だったのか。過去にこの話題を取り上げた「Mysterious Universe」のでは、当時の証人や目撃者がほとんどいなくなってしまった今、我々がその真相を知ることはないと結んでいる。
冷戦下のクイビシェフは機械工業や化学工業などが盛んで、宇宙船「ソユーズ」や人工衛星を造る航空宇宙産業の中心でもあったため、閉鎖都市にされていたといわれている。こうした背景がゾーイの石化に何か関係しているのだろうか。万が一にも新たな真実が浮上するようなことがあればお伝えしたい。
提供元・TOCANA
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