あらゆる社交手段を突然遮られたら、人はいったいどうなるのか?

 そんな実験に挑んだ女性がいる。サラさん、36歳。誰にも接しない状態を5日間味わう企画に挑んだ彼女は、不安と錯乱の果てに幻覚症状を起こすようになった。

■“完全孤独の5日間”は天国か地獄か?

 元気いっぱいの8歳児の子育てに追われるサラさんがこの番組企画に参加したのは、「100%の自由を与えてくれる」という点が魅力的だったからだろう。しかし、最初は積極的だったサラさんも、いったん独房に押し込められると神妙な顔つきになってしまう。

5日間誰にも会わないだけで人は発狂する!?幻覚・幻聴・奇行、孤独で人間は“制御不能”に…衝撃の実験
(画像=「Daily Mail」の記事より 、『TOCANA』より 引用)

「あの時は、どうにか平静を保とうとしました。でも、そんな心構えに反比例して、実際は『どうしよう、ああどうしよう』『どうやって5日間をやり過ごそう?』ということばかり頭をよぎるんです」。そう当時を振り返るサラさんは、今でこそ落ち着いているが、映像では1日目からすでに神経質そうな様子が見て取れる。部屋に入るやいなや、彼女はソワソワと部屋の中を往復し続けた。

 無理もない。何しろ、撮影直前まで子育てをしていた普通のお母さんだ。育児にほぼ全ての時間を費やしてきた母親がいきなり「自分だけの時間」を与えられ、いやが応でも一人でいる時間をこれから5日間も味わうのだ。そんな憂鬱は、次第にこらえきれない不安へと変化した。彼女はシンクに走り寄り、ついに嘔吐してしまう。

5日間誰にも会わないだけで人は発狂する!?幻覚・幻聴・奇行、孤独で人間は“制御不能”に…衝撃の実験
(画像=「Daily Mail」の記事より,『TOCANA』より 引用)

 気分が悪いままどうにか就寝するが、翌朝起床してもまだ具合が悪い。そのまま朝の歯磨きをするために洗面台に行く。つらいだろうが、まだこの程度なら、体調がすぐれない人の朝の様子と変わらない。だが、ここから彼女はカメラの前で「いきなり孤独になった人間の顛末」をありありと披露することになる。

 歯磨きをしていた彼女は突如カメラに向かい、洗面台を指してこう言うのだ。「ねえ、この洗面台を見てよ。ほら、犬がいるよね? これが目でしょ、これが耳、そしてこれが尻尾……」彼女が指で示すのはただの茶色いシミなど、洗面器に付着しているものにすぎない。それが犬に見えるのだという。つまり、とうとう彼女は幻覚を起こしてしまったのだ。

犬の前で歯磨きを終えたサラさんは、ベッドに戻り、再び静寂と対峙する。すると彼女は再び神経質になり「音がする」と言い出す。部屋には物音を立てる犬も人もいないというのに。

 やがて、イライラしながら独り言を口にし始めた。「何もないのね。私は今からそちらに行くわ。抜け出すから……」。ポツリ、ポツリと、いったい誰に向かって話しているのか? 今度は犬ではなく、人が見えたのだろうか?

5日間誰にも会わないだけで人は発狂する!?幻覚・幻聴・奇行、孤独で人間は“制御不能”に…衝撃の実験
(画像=「Daily Mail」の記事より,『TOCANA』より 引用)