■人間は聖地を求めて移動する!?
かつて筆者は、日本人の祖先は、なぜこのような大地震や火山噴火が多発する場所をわざわざ選んで移動してきたのだろうかと疑問に思っていた。人の移動の歴史を詳しく見てみると、その疑問に対する答えがあるようだ。
このルートを見れば一目瞭然だが、日本人の祖先だけに限らず、古代の人々は(超常現象が発言しやすい)「聖なる土地」を求めて造山帯へと移って行った要素が強いのではないか。そしてこれは、前述の“聖地と活断層”の関係にもリンクするものだ。
■温泉という恩恵
一方、環太平洋造山帯の上に住むことは災害という観点では大きなデメリットになり得る。しかし、メリットも無いわけではない。それは温泉が非常に多いということだ。下記のマップは世界の温泉分布を示すが、日本を見ると温泉の位置を表す赤丸で真っ赤に染まっていて、世界有数の温泉過密地帯であることがわかる。
このマップを見てもわかる通り、世界の温泉地の多くは二大造山帯上に存在する。日本人の祖先たちは、温泉が多いからという理由で日本に渡ってきたわけではないだろうが、結果的に温泉の恩恵を大いに被ったということはいえるだろう。
日本人のルーツに関する最新の研究では、「二重構造モデル」などのように、「大和民族」といっても実は単一の起源ではなかったとする説が市民権を得るようになってきたが、この小さな島国に世界の様々な土地から人々が移住してきたとすれば、(天災は多くても)精神面をはじめ、それだけの魅力があったというのことだろう。今後のDNA解析などによって、そのあたりの面でも新たな発見がなされることに期待したい。
文=百瀬直也
提供元・TOCANA
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?