■聖地の“場所”に秘密が!
また、海外と比べて日本には「八百万の神」というほど多くの神々が存在し、神社仏閣などの「聖地」が多いが、森羅万象に“霊性”を見出すというこの日本人の感覚も、やはり環太平洋造山帯の存在とそれがもたらす地理的特性と無縁ではないだろう。
筆者の研究では、日本の有名な聖地は、特に主要な「中央構造線」と「糸魚川―静岡断層帯」などの断層帯に沿って存在する。そして、この2本の構造帯の交点に諏訪湖と諏訪大社が存在するのも、決して偶然ではないと考えている。
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(画像=「九州地方~関東地方の地質構造図」(GNUフリーライセンス)聖地は筆者が記入。、『TOCANA』より 引用)
日本では太古の昔から(「八百万の神」を生むことにつながった)シャーマニズムとアニミズムが盛んだが、そのことはかつて筆者が滞在していたインドネシアにも当てはまる。そして、下図のようにインドネシアも日本と同様に環太平洋造山帯上にあるのだ。
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(画像=ピンク色部分が環太平洋造山帯(パブリックドメイン),『TOCANA』より 引用)
さらに興味深いのは、「世界の巡礼地マップ」というサイトのマップを見ると、二大造山帯である環太平洋造山帯とアルプス・ヒマラヤ造山帯の周辺に聖地が集中していることがわかる。そして、世界三大宗教と呼ばれる仏教・キリスト教・イスラム教が「アルプス・ヒマラヤ造山帯」上にあることも偶然ではないように思えてくる。
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(画像=「World Places of Pilgrimage Map」より,『TOCANA』より 引用)