冷静で客観性のある大人なら、自己判断でこうした情報から一歩距離を取るということができるが、子供には難しい。いや、大人でも自己判断できず、コンプレックスを刺激されて嫉妬心から誹謗中傷をして、相手から損害賠償請求を受けるケースもある。SNSを上手に使いこなし、デメリットを回避できている人自体、世の中にかなり少ないという印象だ。1のメリットを享受するために、5のデメリットを浴びているような使い方をする人は多い。

SNSが有効なのは、情報のスピード感、リアルタイム性、双方向性である。自分は記事を書いていていたり、技術や情報を追いかける立場にいるのでそのニーズを満たすためだけに使っている。

また、短文投稿はメモ代わりと、自分の思考を整理するためにやっている。ネガティブなニュース、無益な争い、ショッキングな話などはとにかく目に入れないように工夫をしながら使っている。デメリットを回避しながら使うのは手間だが、メリットもあるので完全に手放すことができず悩みながら使っている。そうしたSNSが子供に必要か?と問われれば答えはNOである。

筆者は大学に入ってからは、PC、携帯電話自体を一切手放した。レポート作成や調べ物を利用する時は、学校のPCルームに置いてある共有パソコンを使った。当時はFacebookやmixiが流行ったが、「勉強のじゃまになりそう」と感じてアカウントを作成しただけで深くは手を出さなかった。勉強が本業である学生の内は、SNS自体を使用しないのが賢明だ。SNSにメリットはなく、ジャマ以外の何者でもないからだ。

米国でもSNSを問題視

米国ではSNSが子供の精神に悪影響があると問題視され、すでに35州は規制の導入や検討に乗り出し、フロリダ州で14歳未満のSNSアカウント作成を禁止する。

「表現の自由だ」「情報へのアクセス権利を奪う」といった反論もあるが、SNSを使わなくても自己表現や情報収集の手段は他にいくらでもあるし、子供に使わせても良いことより悪い事の方が圧倒的に多い。