エディオンは10月23日、エディオン横浜西口本店でプライベートブランド「e angle」からZ世代向け「カラーデザインシリーズ」の第二弾となる「カーボンヒーター」と「セラミックヒーター」を発表。第一弾の「オーブントースター」と「グリル鍋」、「タンブラーミキサー」と合わせて販売。

エディオン、「ビジュ家電」でZ世代を雑貨店から呼び込む
(画像=エディオン横浜西口本店の「e angle」コーナー、『BCN+R』より 引用)

Z世代が雑貨店に流れている危機感

 エディオンがプライベートブランド「e angle」を発売したのは2018年。顧客と日々ダイレクトに対応している家電量販店の強みを生かして、製品に顧客の声を反映させたり、独自のアングルから家電や暮らしを見つめなおしたりするブランドだ。

 冷蔵庫や洗濯機といった大型家電をはじめ扇風機や除湿器、ワイヤレスイヤホン、食器洗い乾燥機など32製品まで拡大している。

 中でもヒットしたのは、ワイヤレスと有線の両方で使える「2WAYイヤホン」。23年5月の発売から予想を上回る売り上げを記録したという。長時間のミーティングはバッテリの不安から有線のイヤホンを使い、ジョギングなどはワイヤレスイヤホンを使うなど、「2台持ちのわずらわしさから開放されたい」というユーザーの声を反映した。

エディオン、「ビジュ家電」でZ世代を雑貨店から呼び込む
(画像=2WAYイヤホン、『BCN+R』より 引用)

 また、給水工事なしで据え置きでも使える食器洗い乾燥機は、据え置き型では日本初となる液体洗剤の自動投入機能を搭載して好評を得ているという。

エディオン、「ビジュ家電」でZ世代を雑貨店から呼び込む
(画像=食器洗い乾燥機、『BCN+R』より 引用)

 ただ、「若年層、とりわけZ世代にリーチできていない」という家電量販店業界全体にも共通する課題を抱えていた。例えば、24年1~9月にエディオンで販売したホットプレートの20代の構成比は、大手家電メーカーの製品がわずか5%だったのに対し、インテリア雑貨メーカーの製品は20%という大きな開きがあった。

エディオン、「ビジュ家電」でZ世代を雑貨店から呼び込む
(画像=20代が選ぶ「ホットプレート」はインテリア雑貨メーカーの製品、『BCN+R』より 引用)

 Francfrancやロフト、無印良品といった生活雑貨店でもオリジナルの家電を販売している。本来、家電量販店で取り込むべきZ世代など若年層が、そうした雑貨店に流れてしまっているのではないかという危機感である。

「ビジュ家電」第一弾で成果を得た

 そこでエディオンは8月から、Z世代をターゲットに据えた「カラーデザインシリーズ」として「オーブントースター」と「グリル鍋」、「タンブラーミキサー」の3アイテムを発売。丸みのあるかわいらしいデザインやワンポイントとなるダイヤルはゴールドでそろえるなどデザインにこだわった。色も「くすみカラー」のモカホワイト、ティール、ピンクベージュで統一している。

エディオン、「ビジュ家電」でZ世代を雑貨店から呼び込む
(画像=「オーブントースター」「グリル鍋」「タンブラーミキサー」、『BCN+R』より 引用)
エディオン、「ビジュ家電」でZ世代を雑貨店から呼び込む
(画像=ティールで合わせたイメージ、『BCN+R』より 引用)

 エディオン 商品開発部の木村健吾アシスタントマネージャーは「Z世代の消費モデルは機能や性能以上に、カラーやデザインがきっかけになり、そこで選ばれた商品は購入後の満足度も高い」と語る。そこで打ち出したのが「ビジュ家電」だ。

エディオン、「ビジュ家電」でZ世代を雑貨店から呼び込む
(画像=エディオン 商品開発部の木村健吾アシスタントマネージャー、『BCN+R』より 引用)

 色味のシンプルな部屋に置くだけで、自撮りしたときの映り込みもかわいく見えるような「お部屋のビジュをアゲる家電」がビジュ家電である。

エディオン、「ビジュ家電」でZ世代を雑貨店から呼び込む
(画像=カラーデザインシリーズは20代で13.1%、『BCN+R』より 引用)

 実際、調理家電全体と第一弾のカラーデザインシリーズを購入した顧客の年代別構成比をみると、20代は調理家電全体で6.3%だったのに対し、カラーデザインシリーズは13.1%と2倍に増えた。

 男女比でもカラーデザインシリーズは56.9%と、半数以上が女性から支持されている。Z世代向けのマーケティングで、一定の成果を得ることに成功した。