健康や栄養を考えると自炊一択なのだ。自炊は技術であり、うまくやれば外食よりコスパ、タイパも良くなる上に味もおいしい。何より、自炊の方が添加物もなく、味付けも薄く野菜たっぷりで健康な食事を楽しめるのでメリットしかない。

若い頃は1秒のムダも惜しんでファストフード片手に仕事に励むことがあっても、40代以降にそれを続けると体調が悪くなり、逆にパフォーマンスが落ちてしまう。

また、注意するべきは食事だけではない。睡眠や運動もそうだ。4時間睡眠で浮かせた時間による低いパフォーマンスより、7時間睡眠で1日中パフォーマンスが高い方が効率が良い。

さらに「運動なんてする時間がない。もったいない」と考えて何もしなければ、毎年筋肉が1%ずつ減少し、体力も低下、体の節々が痛くなり病気にかかって大きく時間を失う。運動は感情的な「好き・嫌い」でするものではなく、「投資」という位置づけで、あらかじめ時間を確保して取り組むべきなのだ。

自己利益より「他者貢献」へ

若い頃は自分の得になることが快楽であり、「とにかく今、自分だけが楽しめれば他人のことなどどうでもいい」という考えになりがちだ。この発想自体、否定しない。自分自身が人並み以上にそのような利己的な価値観だった。

しかし、人生経験を重ねるほど「飽き」との戦いが深刻化する。どれだけ好きな趣味でも、エンタメでも「既視感」が続き、映画や漫画で自分より遥かに年下が主役を張る作品へ感情移入することが難しくなる。気がつけば、主役の親の方に気持ちが移っていることに気づいたりする。

一度飽きてしまったものを、再び情熱的に取り組むことは極めて難しい。「趣味があるからずっと一人で楽しめる」といっていた人も、多くは30代後半くらいからその感覚に変化の兆しを感じるようである。

だが受け身の娯楽に飽きると同時に、新たな楽しみが生まれる。それは他者貢献だ。仕事ならいかに楽して時短をして稼ぐか?といったコスパ重視の考えから、いかに喜んでもらえるか?社会の役に立つ実感を得るか?という感覚へ移行する。筆者が勉強をするのは、新しい技術や知識を学び、それを他者へ伝えて喜ばれるのが楽しいからだ。