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駆け引きより政策論争を

イタリアでG7(先進国首脳会議)が先日開かれ、7人の首脳のうち6人が来年も参加できるか分からないと指摘されました。岸田首相、バイデン米大統領、マクロン仏大統領らです。G7が1975年に開かれ約50年経ち、国際情勢の力関係は様変わりとなり、G7はすっかり力量が低下しました。大波乱の世界史の時代です。

日本の一人当たりのGDP(ドル建て)はG7最下位クラスで、先進国というより、中進国レベルの扱いです。黒田・安倍ラインが積み上げた国債残高、日銀保有高のお陰で、円安に手の打ちようがない。翻って日本の政局をみますと、政治資金規正法を巡る与野党、あるいは与党内のもめごとが最大のテーマになってきました。

政治資金の不正流用、適正な運用の問題はもちろん大切です。それより重要なのは、正しいカネの使い方をして、どのような政治、政策を行うかという「大きな政治論」が行われることです。国際情勢が激変しているのに、「大海を知らず」の国会論争を延々と見せつけられ、与野党とも何を考えているのだろうと、国民は失望しています。