■じつは「バイソン」も間違いではない
今回の結果を受け、久保氏は「『バイソン』と『ベガ』の字面や語感だけで判断すると、バイソンの方が強そうに感じますし、実際に口に出すとさらにバイソンの方が強そうな気がします」と大きく頷く。
続けて「しかし、『ストリートファイター』を知っている男性からすれば、ベガこそが『悪の組織のボス』なのでしょう。つまり、これは既にベガの洗脳済みの男性が多いということです」と、大胆な説を提唱したのだ。
なお、じつはシャドルー四天王には「国内外での名前入れ替え問題」という、複雑な事情が存在することをご存知だろうか。じつは、考え方次第では「バイソンがボスの名前」という回答は、間違いではないのである。
こちらの話題について、久保氏は「海外では様々な事情でベガがバイソン、バイソンがバルログ、バルログがベガ、というように名前が入れ替わっており、これがとても厄介です」と、眉間に皺を寄せつつコメント。
その代表的な事例が「海外勢との対戦時の意思疎通」である。
久保氏からは「海外大会で対戦する相手のキャラクターが何なのか聞くと『BISON』と言われたので、試合が始まるまでバイソン対策を考えていたら、突然ベガが出てきてパニックになった経験があります」「しかし、これは嘘をつかれたワケでもなんでも無く、私が無知なだけでした…」とのエピソードが語られたのだった。
この事情がより複雑となるのは、日本勢が「海外だと名前が違うんだよな」と理解していても、海外勢が「日本だと名前が違うんだよな」と気を利かせてくれたケースである。
記者も以前、海外からの遠征勢と「英語圏だとバルログはベガだよな」という認識のもとで会話をしていたのだが、その相手が「日本の呼び名」を知った上でキャラの呼び名を「日本式」に合わせてくれたため、会話が途中で噛み合わなくなる…という悲劇が発生したのだ。
こうした問題について、久保氏は「大会に出るようなゲーマーは、そういったややこしさを解決させるため、キャラの特徴から世界共通で使えるあだ名を作ります」と説明する。
こうした事情もあって、海外の大会ではバイソンを「ボクサー」、バルロを「クロウ」(爪)、ベガを「ディクテイター」(独裁者)とも呼んでおり、久保氏も名前の勘違いがなくなったそうだ。