映画「オッペンハイマー」日本公開!事前に読んでおくと、映画に10倍没頭できる!?

「原爆の父」と呼ばれる米国の物理学者オッペンハイマーの1954年4月12日から5月6日まで続いた聴聞会と、各証言のエピソード、主にオッペンハイマーが学生の頃からマンハッタン計画の成功までに至る経緯の映画、『オッペンハイマー』。

昨年米国で上映されて、先週3月10日の第96回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞をはじめ多くの部門で受賞したとのことです。日本での公開は来週末の3月29日にされるということです。

僕は3月上旬に米国出張のブリスベンからロサンジェルスに向かう往路と、ダラスからシドニーに戻る復路の二回、カンタスの機上で映画を観ることができました。復路は3月9日だったので、その直後にアカデミー賞での多くの受賞を知ることになりました。

初めに観た往路では、なんだかよく理解できずに途中で寝てしまいました。というのも、いきなり「赤狩り」のような聴聞会の場面から始まり、オッペンハイマーが学生の頃の英国ケンブリッジ大学でのエピソードに飛んだり、プリンストン高等研究所でアインシュタインと会話を交わしたりと、時代が激しくランダムに飛んでいくからです。しかも会話も早口で、よほど詳細にオッペンハイマーのことやマンハッタン計画やそれに関わった科学者たちのことを知らないと、映画についていけません。

そこで、復路では飛行時間が17時間もあったことですし、映画を観る前に、オッペンハイマーに関する本を読んでおこうと思ったのです。

そこで選んだ本が、藤永茂(ふじなが しげる)(著)『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』だったのです。

藤永茂(ふじなが しげる)さんは、1948年九州帝国大学理学部物理学科を卒業された物理化学者で、ウィキペディアによると

1959年から2年間、シカゴ大学理学部物理教室に研究員として滞在して以来、コンピュータを用いて原子や電子の振る舞いを議論する計算化学の研究を続ける。1965年、九州大学教授を経て、1968年、アルバータ大学理学部教授に就任し、1991年、同大名誉教授となる。