空自はC-2輸送機をベースに二機種の電子戦機を導入しています。海自もこれまたP-1哨戒機をベースに電子戦機を開発中です。更にPー1の派生型は増えるでしょう。
一般論で申せば、既存の部隊運用している機体をベースにこのような派生型を作ることは利益があります。既存の部隊と訓練や兵站を共用できるからです。
ですが自衛隊の場合はマイナスの方が大きいでしょう。それは調達及び運用コストがが高すぎるので、そのようなメリットが吹き飛んでしまうからです。
5年前の数字ですが、C-2の飛行時間あたりのコストも、ライフ・サイクル・コストも、トンあたり3.5~5.4倍です。機体の調達も高騰し、維持費も更に高騰しているでしょう。カヤバがコンポーネントから撤退したのでコストは相当上がっているはずです。円安の絵影響で軽減される部分もありますが、エンジンはじめ多くのコンポーネントを輸入しているので微々たるものでしょう。
P-1は専用エンジンF-7を採用しているので更に運用コストは高いはずです。海幕長はぼくの質問に答えて、有人、無人機の候補から選んだといいましたが、多分形だけです。本気で選定したならば担当者は無能です。民主国家の「軍隊」であれば選定方法を公開すべきです。
自衛隊機のコスパを検証する(前編)
C-2のCPFHはC-130Jの4.4倍、C-17の1.8倍にもなる。ペイロード1トン当たりのCPFHは、C-2は10.5万円(26トン)、C-130Jは3万円(20トン)C-17(77トン)は1.96万円である。C-2のペイロード1トン辺りのCPFHはC-130Jの約3.5倍、C-17の5.4倍と、比較にならないほど高い。
1機あたりのLCC(ライフ・サイクル・コスト)はC-2が 約 635億円、C-130Jが 約 94億円、C-17が 約 349億円である。C-2の1機あたりのLCCはC-130Jの6.8倍、C-17の1.8倍である。これがペイロード1トン当たりのLCCになるとC-2は24.4億円、C-130Jは4.7億円、C-17が4.5億円であり、C-2の1機あたりのLCCは、C-130Jの5.2倍、C-17の5.4倍となり、これまた比較にならないほど高い。