コンビニではレストランのソムリエのようにお客はスタッフと会話をしたい訳ではありません。できれば、無言で短時間のうちに買い物を済ませたいと思っているはずです。
対面のレジで買い物をすると「ポイントカードはお持ちですか?」「袋はご用意しますか?」「お支払い方法は?」と聞かれたことにリアクションしなければなりません。セルフレジなら、タッチパネルで無言でサクッと会計ができてむしろこちらの方が快適です。
ファミレスでも同じように、アルバイトのスタッフとの会話は不要です。スタッフが注文を取りにくると、あれこれ悩む時間を取れなくなりますし、注文が終わると「ご注文を確認します」「以上でよろしかったでしょうか?」と注文確認しなければなりません。
タブレット注文なら、好きな時間だけ悩んで、注文を決められます。途中で注文を変更したり取り消しするのも相手がタブレットなら遠慮する必要はありません。また注文のやり取りを間違えることも少ないですし、間違えたら自分の注文ミスなので自業自得と納得できます。
という訳で、今後コンビニやファミレスのようなお店では機械化が更に進み、その方がお客からも高いサービスだと思われるようになるはずです。
一方で高級レストランやラグジュアリー商品を取り扱うようなお店は、対面の接客能力によって顧客満足度が大きく変わってくることになります。
そんな2極化が進むようになるはずです。
不思議なのは、私が好きなセブンイレブンや吉野家がなぜ機械化を推進しないかです。
セブンイレブンは他のコンビニに比べセルフレジの導入が遅れていますし、吉野家は未だに自動販売機での食券ではなくスタッフに注文して会計スタッフが対応します。
意図的なものだとしたら、顧客ニーズの変化を把握していないのではないかと心配になります。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年6月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。