今はベッドタウンという言葉は使わないと思いますが、バリバリ働く方とそのご家族は周辺県にお住まいの方が多いのです。では東京都だけ異質で異次元の政策で爆走すべきかといえばこれも正しくはない、このあたりのバランスをまずは示すべきだと思うのです。
そこで私はまず、東京都の外交戦略を打ち出すべきかと思います。つまり、東京圏(メトロ東京)を形成するために東京と往来がある神奈川、埼玉、千葉県と戦略的提携を結び、双方がリンクして共同政策を打ち出せるものは一緒にやる体制を明白にして共同歩調をとることが重要だと思います。もちろん、各県や都の独自性は必要ですが、それらの県と東京の関係は極めて密接であり、川向うは違うから、という時代ではないと考えます。
次に高齢化する東京への対策です。小池さんが木造住宅密集地の改革を掲げたのはさすがだと思いました。東京都を本当によく見ています。その上で私は更に、緑地が少ない東京、少子化の東京を逆手に取り、それを活用して大緑化政策を進めるべきかと思います。例えば極端な話、特定地域では小規模ビルは建てられないようにして区画の整理を再度進め、その際に建物の高層化と同時に緑地面積を今の2倍以上に増やすなどの政策はありかと思います。小規模不動産と木造住宅密集地の区画整理において東京都が関与する土地の一時所有会社/機関を設立して一時的に土地を所有するのもありかと思います。
少子化に関しては以前から繰り返していますが、生むのと育てるのは別の括りだと思います。よってお金をばら撒けば子供を産んでくれると考えるのは出産促進にはむしろ逆効果とみています。子育てにはプラスかと思います。そのあたりは先ほどの東京都の外交政策で周辺県に住み、東京都に勤める方々の利便性を最大限にする方策を考えるべきでしょう。シェアオフィスやサテライトオフィスの活用もありだと思います。横浜、大宮、千葉、立川あたりをサテライトタウンとするのも一案かと思います。
防災については数ある自然災害の中で何を対象にするかで対応は変わってきます。その中で私は携帯がつながらなかくなるリスクが思った以上に対応がなされていない気がしています。今の方々からスマホを取り上げるとほとんどの人は電話番号を他に控えていないから連絡が取れなくなるし、極端な話、自宅の住所すらいえない人が出てくるのです。まさかと思うでしょう。それが案外多いのです。その際の災害難民に関する対策を打ち出すべきでしょう。小池さんの富士山が爆発した時の対策というのはやや突飛な感じがします。
それと小池さんは国際金融都市構想を述べていません。あれだけ力が入っていたのに諦めたのでしょうか?私は特区を作るとか、これだけ外国人が増えた時代においてどう外国人を受け入れ、どうビジネスに結び付け、どう国際金融都市に発展させるか、そのあたりの深い構想は是非とも継続してもらいたいと思っています。
これからどんな政策論争があるのか、期待したいところですね。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年6月21日の記事より転載させていただきました。