それは当然で、企業経営の永続性を前提とする限り、過去は未来に自然に連続的に継受されていくのでレガシーとして認知されることはなく、過去がレガシーとして意識されるときは、永続性に疑義が生じたとき、即ち、経営の危機的転換点において、レガシーを捨てて、新しいものの創造に賭けざるを得ない状況だからである。
さて、企業経営において、ディスラプトとは、自然な連続的展開に非連続、即ち断絶を設けることだから、一方で、断絶前のレガシーを捨てることとなり、その意味で破壊的側面をもつわけだが、他方で、単なる破壊ではなくて、創造的破壊といわれるように、断絶後の新たなものの創造を内包するわけである。つまり、レガシーは、単に捨てられ、あるいは破壊されたのでは、新しいものの創造につながらず、新しいものが創造されるためには、レガシーは、何らかの方法で活用されなくてはならないのである。
その活用方法としては、非連続な局面における活用である以上は、多くの場合、レガシーを売却することとなり、更に、より優れた活用方法は、レガシーを単に売却するのではなく、より高い価格で売却し、より多くの現金を創出して、新しいものの創造に対して、より大きな投資を可能にすることになる。高く売るとは、適切な時点で、適切な相手に、適切な方法で売却することであり、要は上手に売ることであって、それが新しいものの創造の前提になるわけである。
■
森本 紀行 HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 HC公式ウェブサイト:fromHC twitter:nmorimoto_HC facebook:森本 紀行