レガシーは遺産のことだが、故人が遺族に残す財産だけでなく、企業等の組織において、前任者から引き継がれる様々な事物をも意味し、特に負の遺産という表現のもとでは、承継されるべきではない悪しき慣習等を指す。そこから承継されないことに重点が移って、レガシーは、新旧の交替において、消え去るべき旧いものを意味することとなり、更には、何ごとであれ、除却には一定の費用を要することから、損失を暗示するに至るのである。
つまり、レガシー、即ち、過去から承継されるものには、未来に向けて価値を生み続けるもの、即ち、利益を内包しているものと、未来に向けて価値を毀損するもの、即ち、損失を内包しているものがあるわけだが、企業経営においては、多くの場合、レガシーは後者の意味で使われる。