その点では都知事選の時も「私を支持してくれた5000人もの方がいた」といったコメントからは「そうか、この人は一番になりたかったのではなくてフォロワーが5000人欲しかったんだ」ということなのです。正に自己顕示欲そのものといえないでしょうか?

スターバックスのドタバタ劇

スターバックスのCEOが解任され、新たに人気メキシカンフードチェーンのチポトレのCEOブライアンニコル氏を無理やりヘッドハントしました。傍で見ていると力技が凄すぎだと思います。水面下で準備していたようですが基本的には解任されたCEOの手腕が酷かったこと、特にイスラエル問題では創業者がユダヤ人であることもあり、親イスラエルの姿勢を取り、同社の組合がパレスチナ支持を訴える中、組合に訴訟を起こすなど社内での内紛も激化したことで統率能力を問われたものです。

大技のCEO争奪には対価がかかるのもこれまた事実。ニコル氏の移籍費用を含めた支払いは150億円規模、また、ニコル氏の現在の居住地はカリフォルニア、ニューポートビーチでスタバの本社はシアトルにあります。そこを引っ越さずに遠隔業務でもよいというのが今回の破格条件として話題になっています。

私はスタバがアメリカの文化として浸透し始めた90年代にシアトルと深い縁があり、住んでいたこともあるし業務で通っていたこともあるので「あの時代のあのスタバ」のイメージを理解しています。それはコーヒーを飲むというよりコーヒーを媒介して人々に安らぎを与えるもので小銭で得らえる小さな幸せでした。皆がスタバのコーヒーを持って歩くことにスタバ教が生まれていたとも言えます。

でも今は違います。それは会社が大きくなりすぎて本来あったあの良きスタバのイメージが壊れたからでしょう。旨いコーヒーは世の中にいくらでもあります。ですが、ファンを囲い込むのは至難の業でどうやってストーリーを立て直すのか、ニコル氏の課題はたやすくないと思います。