司法書士業界と暴力団のつながり

 だが、日司連の副会長が逮捕された、という事実だけに焦点を当てるのは、事件を矮小化しているとの見方が広がっている。

 羽賀容疑者を含め、ともに逮捕されたのは男女7人。それぞれの役割など詳しい経緯は捜査中とのことだが、羽賀容疑者と野崎容疑者のほか、羽賀容疑者の元妻、指定暴力団・山口組系弘道会傘下の暴力団組長・松山猛容疑者の名前が入っている。

 この松山容疑者が、羽賀容疑者に野崎容疑者を紹介したとみられており、松山容疑者と野崎容疑者は旧知の仲だったとの報道もある。松山容疑者は、六代目山口組の中核団体である弘道会のナンバー3・稲葉地一家総裁だ。六代目山口組は日本最大規模の暴力団で、弘道会はその中枢にある。現組長や若頭の出身母体でもあり、松山容疑者はその執行部に名を連ねる。そんな暴力団“大幹部”と、司法書士会のナンバー2が深い関係であるとすれば、日本の司法全体にも影響を及ぼす大問題である。

 日司連が「当連合会の役員から逮捕者が出たことは誠に遺憾」と発表するだけで、暴力団とのつながりが疑われていることに触れないのは、事件を矮小化させようとしているのではないか、と指摘が出ているのも仕方がない。

 そこで、Business Journal編集部は日司連の広報部に、司法書士の業界全体が反社勢力との疑いを持たれかねない状況をどうみているのか問い合わせたところ、以下のとおり回答があった。

「現時点では捜査中のため、事実確認ができておらず、公式サイトに掲載している会長談話以上のコメントは出せません。新たに確認された事実があれば、追ってリリース文を発表します」

 羽賀容疑者3回目の逮捕がかすんでしまうほど、日司連副会長と暴力団幹部のつながりは衝撃的なニュースだ。司法書士は法律の専門家であるがゆえに、弁護士と同じくらい、反社勢力と接点があるといわれる。日司連は、副会長個人の問題として片づけず、司法書士業界全体として、今後どのように取り組むかという姿勢を示す必要がある。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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