その不動の6番が逆転満塁ホームランを放つ可能性は残念ながら低いと思います。ただ、打線全般が湿りがちで点数が取れない自民党軍ですので総裁選で1番から9番まで候補者を並べても全方向で国民の期待に応え、議員票も党員票も確保できる人はやはり限られるのです。
以前にも書きましたが、北朝鮮の金正恩氏との会談、しかも会うだけではなく極めて大きな成果を得る会合が行われたならこれはホームランかもしれません。ただし、以前にも申し上げたように外交はポイントになりにくいのです。今、最大の逆転満塁ホームランはインフレ対策であり、国民の不満をどう緩和するのかそのプラン次第だと思います。唐突に電気ガス代の補助を打ち出しましたが、この思いつき型のポピュリズムは下手を打ったと思います。個人的にはありがたいけれど政策としては失策だと思います。
総裁選まであと3か月を切っている中でインフレ対策は難しいのですが、日銀が7月の政策決定会合で示す政策次第では円安に一時的な歯止めがかかる可能性があります。(個人的には既に織り込みつつあるとみていますが。)とにかく円安を止めないことにはインフレ脱却のシナリオが描けず、岸田政権にとってアキレス腱になりそうです。
他の候補としては石破茂氏が出馬を固めたと朝日新聞が28日付報道で独自で伝えています。あとは菅元首相の影響下で小泉、茂木、加藤各氏の名前が上がるかと思います。上川氏は岸田氏が出る限り、ないと思うし、その器ではありません。高市氏は党内人気がないので、厳しいと思います。個人的には彼女は案件の絞り込み型、短視眼的スタンスなのでバランス感覚が足りないように感じます。
首相のポジションは異様に難しく、外野がどうこう言うのとは全く違うレベルの調整能力、タフさ、知識量、人柄が求められます。もしかすると私の知らない候補者のお名前もあるかもしれませんが、オールラウンドでこなして今後数年の日本を託せる人材という観点で見ると党員でも議員でもなかなか困難な選択肢で案外、消去法で岸田氏が残るというのが今の時点での私の予想です。
そのうち立憲民主党の件もつぶやいてみたいと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年6月28日の記事より転載させていただきました。